猫の健康飼育ハンドブック WEB版

よだれが多い

異物摂取

猫は警戒心が強いため、犬よりは異物を飲み込みづらいとされています。しかし、特に若いオス猫では、しばしば異物による胃腸障害が認められます。おもちゃで遊んでいるうちに勢い余って、というケースが多いようです。胃の中に固形の異物があると吐き気が認められ、よだれが増えることがあります。食道や小腸で異物が詰まると、より重篤になります。
また、異物の中でも特に注意が必要なのがひもです。猫は一般的にひもが好きで、よく遊びます。このひもを飲み込むと、ひもの一端は口の中や胃の中でひっかかり、もう一端はどんどん先へと送り出されていきます。結果としてひもを中心に腸が手繰られたような形となり、ひどい場合にはひもによって腸が裂けることがあります。腸内には大量の細菌が存在するため、重篤な細菌性腹膜炎を発症し、命に関わります。ひもで遊んでいたあと急に食べなくなり、嘔吐が続くなどの場合は緊急処置が必要です。

腎不全

腎不全は、尿道閉塞や中毒物質の摂取などにより急激に発症する急性腎不全と、加齢などによって腎臓の機能が少しずつ低下していく慢性腎不全に分けられます。急性腎不全では急激な元気、食欲の低下、嘔吐、下痢などが認められます。尿道閉塞以外でも腎臓で尿が作られなくなることがあり、おしっこが減ります。慢性腎不全は、特に10歳以上の高齢になった猫で一般的に認められる病気です。15歳以上の猫では30%以上が慢性腎不全を患っているとの報告もあります。初期には飲水量の増加、尿量の増加が認められ、薄いおしっこを大量に排泄するようになります。進行すると尿毒症と呼ばれる状態になり、嘔吐やよだれ、食欲低下などが認められます。さらに進行すると腎臓で尿が作られなくなり、おしっこが減ります。人間では人工透析が行われますが、猫では一般的でなく、点滴などによる緩和治療が行われます。慢性腎不全は、早期に発見すれば食事療法などで悪化を遅らせることが可能です。ただし、治癒することはできず、少しずつ進行していきます。

口内炎・歯肉炎

猫には人のような虫歯はほとんどありません。代わりに、歯周病が多いと言われています。歯茎が赤く腫れ、時に出血する歯肉炎や、頬の内側の粘膜がただれる口内炎がしばしば認められます。これらはウイルスに関連したものと、歯石や細菌感染によるもの、原因不明のものに分けられます。ウイルスに関連したものとしては猫カリシウイルスによる口腔内の潰瘍があるほか、猫免疫不全ウイルス感染症でも口内炎・歯肉炎がよく認められます。歯石が付着すると、細菌感染が進行し、歯肉に炎症を起こします。炎症を起こした歯肉はどんどん退縮し、歯の根元が見えるようになってきます。ひどくなると歯が抜けたり、歯の根元に膿が溜まったりします。膿は骨を壊して皮膚の下にまで入り込み、顔が腫れることもあります。症状としてはご飯を食べる際に口を痛がり、とくにドライフードを食べたがらない、ときに血液の混じったよだれが多い、などが挙げられます。抗生物質や消炎剤による治療が行われますが、ひどい場合には歯を抜く必要があります。

症状別猫の病気検索

  1. 吐く
  2. 下痢
  3. おしっこが出ない、少ない
  4. 咳、くしゃみ
  5. よだれが多い
  6. 呼吸が荒い
  7. 水をたくさん飲む、おしっこが多い
  8. 元気、食欲がない
  9. その他