猫の健康飼育ハンドブック WEB版

咳、くしゃみ

ウイルス性上部気道炎

猫ヘルペスウイルスおよび猫カリシウイルスによる感染症で、いわゆる「猫風邪」と呼ばれている病気です。口や鼻、眼の粘膜から感染し、くしゃみ、鼻汁、目やになどが認められます。猫ヘルペスウイルスでは一般的に眼の症状が強く、結膜炎などがみられます。一方、猫カリシウイルスでは口の中や舌に潰瘍ができるのが特徴です。成猫では症状を出さないか、出しても軽症ですが、仔猫では重症化することがあります。感染後の治療は症状を緩和する治療法しかないため、予防が重要になります。動物病院で一般的に接種される混合ワクチンで、これらの感染をほぼ予防できます。

猫喘息

人と同様に猫にも喘息があります。さまざまなアレルゲン(タバコの煙、花粉、ハウスダストマイトなど)を吸引することで、気管支の炎症や気道の閉塞が引き起こされます。症状としては咳や呼吸困難、喘鳴(喉がゼエゼエ鳴ること)が認められます。猫では飲水や興奮などが引き金となって、逆くしゃみと呼ばれる症状が認められることがあります。くしゃみと咳、逆くしゃみは時に区別するのが困難です。空気清浄機による環境改善やステロイド剤などを用いて治療しますが、慢性化すると治療が難しくなるため、早期の対応が勧められます

リンパ腫

リンパ腫は猫で最も多い悪性腫瘍とされています。リンパ腫は全身様々な部位に発生しますが、最も多いのが胃や小腸、大腸といった消化管とされています。また、胸の中の心臓の前あたりにしこりを作る縦隔型、鼻にしこりを作る鼻腔型などが比較的多く認められます。血管やリンパ管の中に存在するリンパ球と呼ばれる白血球の一種が腫瘍化したもので、白血病に近い病気です。そのため、しこりを作っている場合でもそこだけの問題ではなく、全身に広がっていると考えられます。したがって、治療には主に抗がん剤が用いられます。症状は発生部位によって様々で、消化器型では嘔吐や下痢、体重減少が認められます。縦隔型では胸水が溜まることが多く、呼吸が苦しくなります。鼻腔型ではくしゃみや鼻水、鼻出血が一般的です。リンパ腫は8歳以上で多くなるとされていますが、2~3歳くらいで発症することもあります。縦隔型は猫白血病ウイルスに関連したものがほとんどで、若い年齢での発生が多いとされています。猫免疫不全ウイルスは猫白血病ウイルスほど直接的ではありませんが、リンパ腫の発生率を高めるとされています。

症状別猫の病気検索

  1. 吐く
  2. 下痢
  3. おしっこが出ない、少ない
  4. 咳、くしゃみ
  5. よだれが多い
  6. 呼吸が荒い
  7. 水をたくさん飲む、おしっこが多い
  8. 元気、食欲がない
  9. その他