猫の健康飼育ハンドブック WEB版

元気、食欲がない

猫伝染性腹膜炎(FIP)

猫コロナウイルスによって引き起こされる、致死的な感染症です。猫の腸には病気を引き起こさない猫腸コロナウイルスが存在し、これが突然変異を起こすことで猫伝染性腹膜炎ウイルスに変わると考えられています。多頭飼育で発生頻度が高いこと、純血種の猫で感染しやすいことがわかっており、糞便や唾液から感染すると考えられていますが、詳細な感染経路や突然変異を起こす原因は明らかではありません。発熱、元気消失、食欲低下といった症状があり、腹水や胸水が溜まるタイプ(ウェットタイプ)と眼や神経に異常が出たり、肝臓や腎臓に肉芽腫と呼ばれるしこりを作ったりするタイプ(ドライタイプ)が存在します。胸水が溜まると呼吸が苦しくなります。現時点では、治療法・予防法ともに確立されておらず、発症すると数週間~数ヶ月で死に至ります。

子宮蓄膿症

子宮蓄膿症は犬では一般的ですが、猫ではあまり多くありません。子宮に細菌が感染し、その結果として大量の膿汁が子宮内に貯留します。発熱や元気・食欲の低下が認められますが、犬よりは症状が出づらいとされています。一般的には8歳以上で認められる病気ですが、まれに若い猫でも発症するとされています。治療としては抗生物質の投与と外科手術が選択されます。

リンパ腫

リンパ腫は猫で最も多い悪性腫瘍とされています。リンパ腫は全身様々な部位に発生しますが、最も多いのが胃や小腸、大腸といった消化管とされています。また、胸の中の心臓の前あたりにしこりを作る縦隔型、鼻にしこりを作る鼻腔型などが比較的多く認められます。血管やリンパ管の中に存在するリンパ球と呼ばれる白血球の一種が腫瘍化したもので、白血病に近い病気です。そのため、しこりを作っている場合でもそこだけの問題ではなく、全身に広がっていると考えられます。したがって、治療には主に抗がん剤が用いられます。症状は発生部位によって様々で、消化器型では嘔吐や下痢、体重減少が認められます。縦隔型では胸水が溜まることが多く、呼吸が苦しくなります。鼻腔型ではくしゃみや鼻水、鼻出血が一般的です。リンパ腫は8歳以上で多くなるとされていますが、2~3歳くらいで発症することもあります。縦隔型は猫白血病ウイルスに関連したものがほとんどで、若い年齢での発生が多いとされています。猫免疫不全ウイルスは猫白血病ウイルスほど直接的ではありませんが、リンパ腫の発生率を高めるとされています。

症状別猫の病気検索

  1. 吐く
  2. 下痢
  3. おしっこが出ない、少ない
  4. 咳、くしゃみ
  5. よだれが多い
  6. 呼吸が荒い
  7. 水をたくさん飲む、おしっこが多い
  8. 元気、食欲がない
  9. その他